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附属高等学校が「総合的な探究の時間」で高大連携授業を行いました
本学の附属高等学校では、1年生4クラスの計143名を対象に「数学と自然科学について」という題目で「総合的な探究の時間」に高大連携授業を行いました。今回は、附属高等学校の数学科と理科の教員がコラボし、本学の学生?院生にTA、本学数学科の深尾武史教授、理学科の谷口和成教授に助言?指導を行っていただきました。さらに、附属高等学校の教員チームも設け、学校全体の取り組みとして共有を行いました。
本授業では、発射台から鉄球を転がし、床に置いたペットボトルの中に入れる課題にグループで取り組みました。測定実験を繰り返し行い、得られたデータをもとに鉄球の描く軌跡を数式に表し、ペットボトルの位置を求めました。附属高等学校では、本授業を継続的に取り組んできており、各班の探究を支援する指導者の確保のみならず他学校への将来的な普及も見据え、今回の高大連携授業の実施に至りました。各班のTAを担当した本学の学生?院生は、生徒との関わりがはじめての人も多く戸惑いを感じていましたが、中国足球彩票手机版で培ってきた経験や生徒の気づき?考えをもとに適切なヒントを提示し生徒自らが課題解決に向かうように工夫を凝らしていました。その甲斐もあり例年に比べて本番の成功率は高く、生徒は他者と協力して数学や科学の力で問題解決することや、他者の意見を聞きながら自分の考えを正しく論理的に説明するといった経験をより一層高めることができました。
2022年度からは、高等学校の探究学習科目「総合的な探究の時間」が全国で実施されます。これらの学習を通じた教科横断的な学びは,生徒自らが数学や理科を学ぶ意義や有用性を実感することへの橋渡しになることが期待できます。今後は高大連携をより一層強化し,高校生の主体的な学びを身に付けさせられるアクティブラーニング型授業を展開していきます。
本授業に取り組んだ感想は以下のとおりです。
生徒の感想
?今回の実験で今まで机上の空論でしかないと思っていた数学が実生活で使えるということを知ることができました。他にもまわりの物事で数学が活用できる場面があるかもしれないので、それを意識して生活してみるのもいいかもしれないと思いました。
?今まで身に付けてきた数学の力や考察力?思考力を活かせばできることがあるということを実感できてよかった。
?鉄球がカーボン紙にあたって出たところの地点を測るときの誤差であったり、よいデータのとり方ではなかった。なので信頼性、妥当性をしっかりと意識して今後の実験ではよりよいデータを取りたいと考える。本学の学生?院生の感想
?生徒から考えがたくさんでてきて、それをどのようにゴールにもっていくか難しい場面もあったが、1つの助言で生徒がひらめいて活動がスムーズに進むようになったので良かったと思う。
?答えを言うのでなく、ヒントを伝えると自分たちでまた考えて、試行錯誤している姿が印象的でした。(中略)教員が全て教えずうまくヒントを出して待つということが大切だと感じました。
?まず、高校生と関わることがなかったので、はじめはうまく関われるか心配だったけど、みんな積極的に活動していたので少しずつヒントを出して、良い距離感でできたと思う。附属高等学校の教員チームで参加した先生の感想
?我々は成功しませんでしたが、それだけにもし再度機会があればそれぞれの場面でどのような工夫の余地があるかいろいろと考えることができ、授業後も楽しめるすばらしい教材であると思いました。
?各班にわかれてからは、それぞれの班で試行錯誤をしながら、あれでもないこれでもないと必死に取り組んでいた姿が印象に残っています。アクティブラーニングを事前知識のない中話し合いをさせればいいと間違った解釈で扱われたりすることもある中、事前に授業内容や知識、条件などを提示した上で生徒に取り組ませていたところにこの授業の良さがあると感じました。
?総合的な探究の時間が学校全体の取り組みとして共有できたことが良かったです。今回の授業は様々な数学の活用や生データを扱う実験活動を取り入れており、数学や理科の教科の学びにもつながっていくと感じました。▲授業の様子
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