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Web動画を活用した小?中学校理科教員対象の反転型研修を実施しました
2021年11月2日(火)、谷口和成教授(理学科)を講師として、「見方?考え方」に着目した小?中学校教員の理科指導力向上のための研修を京都府教育委員会と協働して実施しました。本研修は、本学が制作した講義動画を受講者が事前に視聴し、研修当日はそれに基づく授業づくりを実践した後に受講者同士で振り返るといった反転型の形式で行いました。
事前学習は、はじめに「科学的思考力をはぐくむ理科授業の在り方」講義動画(約70分)を視聴し、深い学びの鍵となる理科の「見方?考え方」と心理学者ピアジェの提唱する「変数制御」などの形式的操作のいくつかの推論パターン(シェマ)との類似性と認知発達との関係性について学び、続いてヴィゴツキーの理論に基づく介入により、その操作能力を育む授業展開の基礎の理解を目指す内容となっています。また、この介入による児童生徒の学習に対する動機づけへの影響とその支援の重要性についても紹介されています。
当日の研修では、はじめに、上記の介入の具体的展開例として、パイプを叩いたときに出る音の高さとパイプの材質、長さ、太さなどの変数との関係性を調べる活動を通して、理科の考え方のひとつ「条件(変数)制御」を働かせることに主眼をおいた模擬授業を体験し、通常の理科授業の展開と異なる点について、受講者間の討論を通して顕在化することで、この介入を行う意義と理解を深めました。
その後、この展開を実際の理科授業に応用するため、受講者が持参した教科書から理科の「見方?考え方」を育みたい単元をグループ毎に選択し、それを実現する授業を立案しました。その後、立案した授業のポイントをグループ毎にタブレットに記入し、授業支援クラウドを活用した発表、議論を行い、「見方?考え方」を働かせる多様な方法を共有しました。
受講者の反応は、アンケート結果に「実験の組み立て方を変えていこうと感じました。結果に誘導する実験ではなく、問題解決能力を身につけさせる問題(授業)にしていきたい。」「今日の内容は、他教科の授業づくりにも活かしていける。」などの感想がみられ、好評をいただきました。
なお、本研修は令和元年度から開始しており、今回は初めて京都教育中国足球彩票手机版を会場として開催しました。受講者は、京都府公立の小?中学校の教諭16名で、京都府総合教育センターの指導主事2名が参加しました。
▲研修の様子(タブレットと授業支援クラウド?ロイロノート?スクール?を活用してグループ発表を振り返る谷口和成教授)
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