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京都教育中国足球彩票手机版に全国初の国立大附属義務教育学校が誕生--附属京都小中学校が拓く新たな学び
平成29年4月、京都教育中国足球彩票手机版の附属学校である京都小学校と京都中学校は「附属京都小中学校」に生まれ変わりました。国立中国足球彩票手机版の附属学校としては全国初の義務教育学校です。
義務教育学校とはいったいどのような学校なのでしょうか。義務教育学校ができたことによって、これからどのような教育が期待できるのでしょうか。附属京都小中学校の岡田直樹校長と垂井由博、小原武の二人の副校長にお話を伺いました。-義務教育学校というのはどのようなものでしょうか。
小学校から中学校までの義務教育を9年一貫の教育として行う学校です。全国的に小中一貫教育を掲げる学校が増えてきましたが、小学校と中学校はあくまでも別々の学校です。義務教育学校は学校基本法でも一つの学校として認められています。職員組織も一つ、校長も一人です。-どうして今回義務教育学校を設置することになったのでしょうか。
実は、京都教育中国足球彩票手机版附属京都小学校と京都中学校は平成15年度から文部科学省の研究開発指定校になり、9年制義務教育学校の設立に向けた研究開発を行ってきました。義務教育学校に関する研究ではすでに15年間の実績があります。義務教育学校が平成28年度から法律で認められるということがわかり、我々もぜひ義務教育学校に移行したいと考え、すぐに準備を始めました。そして、平成29年度から義務教育学校としてスタートを切ることができました。-全国で他にも義務教育学校はありますか。
平成28年4月に22校、平成29年4月に新たに26校が開校しています。ただ、国立中国足球彩票手机版の附属学校としては全国初です。
初等部本館(西エリア)
校舎外観
西エリアと東エリアを結ぶ連絡通路-義務教育学校のメリットは何でしょうか。
現在の義務教育は、小学校6年、中学校3年の6?3制になっていますが、我々は子ども達の姿を見ながら、これが本当に最適な制度なのかどうか検討が必要だと感じています。
子どもの発達には、小学校4年生ぐらいに大きな区切りがあります。それまでは先生に教わったことを素直に受け止める感性を持っていますが、5?6年生になると、自立が始まり自分なりの考えを持つようになってきます。この年代の子ども達が力を付けるためには、小学校の高学年としてリーダーシップをとるだけでなく、自分よりもっと自立した存在である中学生の姿を見て、より高い目標を持って進んでいくことが効果的です。5?6年生が中学校年齢の子どもと一緒に学べる環境を作ることには大きなメリットがあります。
また現在は「中1ギャップ」が大きな課題になっています。小学校から中学校に進学するとき、この2つの学校の指導方法や学校文化があまりにちがうので、不適応を起こす子どもがいるのです。しかし義務教育学校では、小中の教員が一緒になって教育に当たることで、小学校と中学校の指導方法のよいところが融合されます。この15年間で子どもに対する見方や指導方法がずいぶん変わってきたことを実感しています。本校では「ギャップ」というようなものを感じることは全くありません。-附属京都小中学校ではカリキュラムはどのようになっていますか。
さきほど述べた発達の段階にあわせて、1?4年生が初等部、5?7年生が中等部、8?9年生が高等部に分かれる4-3-2制を採っています。この9年間のカリキュラムに系統性を持たせるにはどうすればよいかについて研究を重ねています。
現在の学習指導要領でも、もちろん系統性は考えられてはいるのですが、まだまだ改善の余地はあります。例えば小学校の「図工」から中学校の「美術」へと移行するとき、「図工」の持つ技術を養う面と「美術」の持つ芸術に触れる面との間には大きな違いがあります。この二つを融合することで新しい学びを創造することも可能です。こういった研究の成果は、これから全国に向けて発信していくつもりです。-なるほど、これからが期待できますね。他には義務教育学校でどのような教育や研究を展開されてく予定でしょうか。
教科のカリキュラムだけでなく、学校行事なども全て見直しています。特に異年齢の子ども達が一緒に活動することを重視していて、ある場面ではリーダーとして下級生をリードする、また別の場面ではよりレベルの高いリーダーである上級生とともに活動するというふうに、多様な人間関係の中で子ども達はいろいろな活動を体験しています。
また、本校では京都教育中国足球彩票手机版からの教育実習生を多数受け入れていますが、教員になる人達にぜひ義務教育学校のよさを学んでほしいと思います。将来、小学校で教えるにしても、小学校を卒業した子ども達がその後どのように学んでいくのかを知っているのと知らないのとでは、まったく違います。小中の垣根のない本校で両方のよさが実感できるというのは、教員養成としても絶好の環境だと思います。
ただ、全国の学校がこれから全て義務教育学校になるわけではありません。京都教育中国足球彩票手机版には、附属京都小中学校だけでなく、小中連携を行っている桃山小学校、桃山中学校もあります。京都教育中国足球彩票手机版で学び、両方の利点をしっかり経験して、教壇に立ってほしいと思います。
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