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「保育者の専門性」から子どもの心の表現にアプローチする 古賀 松香 准教授
古賀 松香(こが まつか)准教授
幼児教育科1. 先生のご専門を教えてください。
幼児教育学という領域で、専門としているのは「保育者の専門性」です。保育者が子どもたちとかかわる際の「具体的なかかわりの質」や「保育の計画」、「環境の構成」などにかかわる保育者の専門性を研究しています。
小学校のように教師が何かを教示するという方法ではなく、幼児教育では教師が環境を構成していく、環境に教育的な意味を含ませて教育していくという方法をとります。環境に子どもが積極的に、主体的にかかわることを通して教育をするという方法です。例えば保育者が一緒に遊びながら、子どもから出てくる思いや気付きを生かして活動の展開をしていくということです。
また、現職者むけの取り組みとして、京都市公立幼稚園の幼稚園教育研究会と京都府幼稚園教育?こども園教育研究会と共同で、本学主催の「幼児教育協働研修」を行っています。そこでは幼児教育にかかわる現職者に普段の保育を見てもらい、一定の評価スケールをもとに観察者と保育者が協議し、最後に私が助言します。昨年度は本学附属幼稚園の保育を公開し、本年度は公立幼稚園が2園公開してくれました。今までの研究発表のように一方通行でなく交流の場として機能しており、公立幼稚園だけでなく、私立幼稚園、公立私立保育所、認定こども園の現職者が参加し、学び合っています。
このような取り組みによって、附属、公立、私立の保育の資質が向上し、ひいては地域の教育の質の向上に教育中国足球彩票手机版が貢献できると考えています。
2. 学生には日頃どのような指導をされていますか。
まず、「子どもが先である」ということです。教師の思いや計画よりも、子どもがどう思っているのか、どういうことに気づきかかっているのか、どういう感情を抱いているのか、それらをまずくみ取って教育をしていくのだということを常々伝えています。
そして、「子どもの行動は心の表現である」ということです。氷山モデルという考え方があるのですが、氷山の上の方に出ているものは行動として見える部分なのでついそこに対してアプローチしがちです。でもそれらはほんの一部で子どもの心の奥底にある、見えない部分にいかに気づけるか。ここにアプローチできれば表面に出ている行動も変わってきます。
講義では、まず具体的な子どもの姿をだして、どう捉えるか、どのような視点で見るか、考えられるアプローチはどれくらいあるか、などを演習に盛り込んでいます。
実習等では学生は、子どもと遊ぶことによって子どもの心が感じられるようになります。そうすれば適切な環境が構成でき、言葉かけも適切になる。学生も幼児教育の面白さをさらに感じるようになります。
3. 先生のお考えになる「京都教育中国足球彩票手机版の魅力」とは何でしょうか。
学生に対しての教育に熱心な、真摯な教員が多いところだと思います。また、学生も子どもに対して真摯に向き合おうとしていて、教育に対する取り組みを一生懸命考えています。
4. ご自身のお考えを表す言葉を色紙にお書きいただきましたが、その言葉の意味を教えてください。
この言葉は、津守眞という実践家でもあり研究者でもある方の言葉ですが、『子どもの行動はその子どもの心が感じている世界の表現である』という意味です。子どもが内面で感じていることは、言葉よりもちょっとした行動一つひとつに表されます。言葉にならない思いを丁寧に見とり受けとめ、その子どもが本当に求めている心の奥深いところにアプローチしていくのが幼児教育であると思っています。
5. 京都教育中国足球彩票手机版で学ぶことを希望する学生にメッセージをお願いします。
教育大を志望する方々は小さい子どもが好きな方が多いと思いますが、それだけでなく自分自身もいろいろなことを楽しんでほしい、いろいろなことに関心が持てる人であってほしいと思います。
◆ゼミ訪問◆
ゼミ学生にききました
〇古賀先生はどんな先生ですか?
真面目で本当に子供や保護者に対する熱意にあふれています。また、一見厳しそうにも見えますが、よく相談事にのってくれたり、頭の中にすっと入る的確なアドバイスをしてくれる、優しくて頼もしい先生です。
〇ゼミの様子を教えて下さい。
ゼミでは、幼児教育に関する文献について、担当者ごとに調べる内容を決め、担当分野についてプレゼンをし、情報共有を行い知識を深めています。また、保育者としての専門性を高めるための実習を学外で行い、メモの取り方等、フィールドワークの技法を習得します。ゼミの雰囲気は平和で、ゼミの後には先生と一緒にたこ焼きパーティーをしたり、和気あいあいとした様子です。
▲たこ焼きパーティーの様子
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