附属京都小中学校副校長　小原 武

　附属京都小中学校では、毎年１０月初旬に「紫翔祭」を実施しています。これはいわゆる運動会?体育祭と呼ばれるもので、９年間小中一貫の義務教育学校ならではの行事となっています。紫翔祭は３部構成になっており、まず最初に、全員が中高等部のグラウンドに集まって開会式や縦割り種目などを行い、次に、初等部、中高等部の各グラウンドに分かれて個人種目や学年競技などを行います。そして、最後に再び全員が中高等部のグラウンドに集まり、６年生の団体演技や、１年生から９年生までの最速リレー、閉会式などを行います。

　縦割り種目の中でも、特に、１年生と９年生がペアになり大きな腹巻きを巻いて走る「はらまきリレー」では、１年生だけでなく９年生にも弾けるような笑顔が見られます。一緒に練習するうちに、１年生は大きいお兄ちゃんお姉ちゃんのことが大好きになり、９年生もその気持ちにこたえようと一生懸命です。また、毎年、１年生の教室には９年生からのメッセージも届きます。

　紫翔祭の縦割り種目だけでなく、様々な行事や学習活動の中で、下級生は、上級生の姿を見て「かっこいい」「あんなふうになりたい」と憧れの気持ちを抱き、上級生は、自分が下級生であった時のことを思い出しながら下級生たちのよいお手本になろうと頑張ります。

　将来、子どもたちが社会に出て仕事をする時、同世代だけでなく、年齢や経験の違う仲間とも理解し合い、信頼関係を築いていかなければなりません。そのような力を育成するために、小中学校の段階でどのような取組が効果的なのか、義務教育学校としてのメリットを最大限に活かした学校作りを目指していきたいと考えています。