センター長より
先日、久しぶりに故郷に戻ったとき小川のそばで、可愛い土筆を見つけ、幼少期に祖母に連れられて、籠一杯に土筆をとったことを思い出し嬉しくなりました。幼年時代の自然との触れ合いを振り返ると、水の冷たさ、太陽の日差し、木々の匂い、春夏秋冬の変化の中で移り行く風景、こうした自然の恵みに、ワクワクした感情がよみがえります。自然をあるがままに感じ取る感性、つまり「センス?オブ?ワンダー」は、子ども時代に誰でも一度は経験したことがあるのではないでしょうか。子ども達に自然の中での体験を通して、「驚いたり、不思議に思う感性」、知的好奇心や探究心を育むには、そばにいる大人が子ども達と一緒に自然を見つめ、子ども達と一緒に感動したり、共感したりすることが何より大切だと思います。
昨今はコロナ禍により子どもの遊びや過ごし方が大きく変化し、外で自然に触れる機会が少なくなったように思います。しかし、工夫すれば、日々の生活の中にも小さな自然の変化を感じ取ることができます。
私たち大人がふとした子どもたちの発見に耳を傾け、かつて自分も感じたことのある感覚を懐かしみながら、不思議さを共有することは、子どもにとってとっても貴重な経験になるでしょう。
本環境教育実践センターは決して広大な施設ではありませんが、様々な木々に囲まれ、畑、温室や作業場、研究?講義棟が揃っています。京都の市街地にありながら、青空のもと、野菜や果物の栽培や収穫、緑と自然環境を体験できる貴重な場所です。教職員の皆様には、農園芸学や植物学などの研究や環境教育実践の場として、学生の皆さんには、栽培や農場実習の場として、附属学校園をはじめ地域の学校園の子どもたちには、栽培教育の実践の場として、是非ご活用ください。
また、定期的に、講習会や講演会を開催し、環境教育の実践と研究に貢献していきたいと存じますので、皆様からのご支援ご協力をよろしくお願いします。
環境教育実践センター長 平井 恭子