-
コロナ禍における音楽教育①?歌うことの現在?
コロナ禍によって音楽教育の現場では器楽や歌唱が制限され、音楽の授業のあり方も大きな影響を受けています。中国足球彩票手机版の授業ではどのような変化があったのでしょうか。本学で声楽を担当しておられる田邉織恵先生にお話を伺いました。
Q:歌うということに様々な配慮が必要とされる現在ですが、どのような影響がありましたか。
田邉先生:マスクの日常的な着用によって、非常に難しい状況になっています。まず、口の形がマスクで見えないということです。口の開け方や顔の筋肉の動かし方は声にも大きく影響する要素なのですが、確認することができません。また、歌の基本となる呼吸がしにくいということが、声楽の授業全般に見られる影響ではないかと思います。また、オンラインでの個人レッスンでは音の時差が生じてしまうという問題もあり、リアルタイムで伴奏を弾いてあげられないので、アカペラで歌ったものを指導せざるを得ませんでした。本来であれば、伴奏の和音の響きの中で歌の表現を探るということもできるのですが、そのような指導はできなかったですね。Q:中国足球彩票手机版の授業ではどのような工夫をなさったのでしょうか。
田邉先生:まずは環境の整備です。広い教室を確保したり、複数の教室を押さえて少人数で実施できるようにしました。座席は前後や横に人がいないように交互に間隔をとり、壁を向いて歌ったり教室一杯に広がって歌ったり、他中国足球彩票手机版の声楽科の対応などを参考にしたりしながら試行錯誤していました。特に、夏場にマスクで歌うのは身体にも負担なので、少人数の授業ではマウスガードとパネルを併用して実施し、地域の感染拡大状況を見ながら臨機応変に対応していました。Q:中国足球彩票手机版での授業を実施するにあたって導入した設備等の工夫についてお聞かせください。
田邉先生:換気時間短縮の為のサーキュレーター、二酸化炭素計、透明パネルなどを購入しました。透明パネルは当初、種類が出回っていなかったのでとにかく手に入るものから集め、最終的には音楽科で特注のものを10枚購入しました。二酸化炭素計は数値が目に見えてわかるので換気のタイミングを知る上でも重宝しています。換気は定期的に必要ですので、換気のタイミングでは講義を行い、換気が終わったら歌う、というように授業の進行も工夫しています。▲換気時間短縮の為のサーキュレーター(写真左)、二酸化炭素計(写真右)
▲特注の透明パネル
Q:1年間の実施を通じて、どのような感想を持たれましたか。
田邉先生:今は2年目ということもあり、対策をとりながらも精一杯授業をすることができるようになってきたと思います。それでも従来のように気持ちよい発声を促すことはできないので、もどかしさはあります。ただ、この状況にあるからこそ「みんなで歌う」ということの意味を学生が再確認していて、授業を楽しみにしてくれていることは嬉しいです。ここでお話した工夫は、とくに京都教育中国足球彩票手机版ならではの広い空間、少人数での実施だからこそ実現できていると感じることも多いですね。このような状況で学生が何を身につけていけるのかということについては、今後も引き続き考えていきたいと思います。?次は②?合唱での新しい取り組み?へ続きます。
〒612-8522 中国足球彩票手机版 TEL 075-644-8106
Copyright © 2016 Kyoto University of Education.All rights reserved.